「ザ・フォーミュラ 科学が解き明かした「成功の普遍的法則」の読書感想です。
フォーミュラは、日本語でいうと「成功の方程式」という感じでしょうか。
自己啓発本で多くの題材になっている「成功の方程式」ですが、本書の副題に「科学が解き明かした」と書いてありました。
そして、アマゾンの内容紹介
膨大なデータから導き出された“成功者のパターン”とは?
世界をリードする理論物理者による全米ベストセラー。
待望の日本語版、ついに登場!本書は「自己啓発(セルフヘルプ)」本ではない。
「科学が助ける(サイエンスヘルプ)」本だ。
理論物理学者が書いていて、自己啓発本では無い。
そして、全米ベストセラーという響にダメを押されて、読んでみることにしました。
本書では、科学的根拠がある「成功の法則」が5つ紹介されていました。
1、「パフォーマンスが成功を促す。パフォーマンスが測定できない時には、ネットワークが成功を促す」
2、「パフォーマンスには上限があるが、成功には上限がない」
3、「過去の成功 x 適応度 = 将来の成功」
4、「チームの成功にはバランスと多様性が不可欠だ。しかし、功績を認められるのはひとりだけ。 誰の功績かを決めるのはパフォーマンスではない。社会がどう評価するかだ」
5、「不屈の精神があれば、成功はいつでもやってくる
全て科学的に検証してあり、根拠がしっかりと説明されています。
納得のできるものが多かったです。
根拠がしっかり説明されているからといって論文のよう硬い文章ではなく、タイガーウッズ、アインシュタインの件など読み物としても楽しめました。
わたしの気づきになったのは、「子どもの大学進学」についての部分でした。
生徒の学力が高いのは、学校が生徒のパフォーマンスを高めたからではない。学校がどんな教育を施そうと、もともと成績優秀な生徒が優れた成績を取り続けるからだ。
卒業10年後の年収を決める重要な要素は、その学生が通った大学の名前ではなかった。長期にわたる成功を決める唯一の要因は、たとえ合格しなかったにしろ、その生徒が出願した最難関大学にあった。
あなたの子どもの成功を決めるのは、「パフォーマンス」と「野心」ーー自分がどこに属していると自分で思うかーーなのだ
受験の合否は避けることのできない、重大な分岐点だと思っていました。
しかし、高校や大学受験の合否は、子どもの年収(成功)を決める要素ではない。
子ども自身の「パフォーマンス(学力)」を伸ばして、子どもが高い権力・名誉・財力など「野心」を持てるように様々な刺激を与えることが大切。
引用した部分以外にも、成功のために必要な要素として「ネットワーク」「運」「順番」などがありました。
もちろん、この成功に必要な要素も「絵画の価格」「ワインの品評」「フィギュアスケートの採点」「ピアノのコンクール」などを対象にした科学的な検証と根拠があります。
この事実を知って子育ての方向性がみえた気がします
この心得ができただけで、これからの子育てが変わると思います。
受験生を持つ親には、かなりオススメです。
これ以外にも、
スーパースターが勝ち続ける理由(パフォーマンスには上限があり、他の人と変わらない。相手が萎縮するなど)
努力と才能は無関係に、報酬が報酬を呼び、成功が成功を生む。
(どんな桁外れの成功も、たった小さな成功からはじまる)
よく働くリーダーは成功をもたらす。 チーム全員で休憩を取ることで、交流が増え、言葉を交わす相手が広がり、お互いの経験を生かせる。(呑みに行くのは同じメンバーになるので効果は薄い。ランチがオススメ)
成功は宝くじに当たるようなもの。宝くじを買い続け、その成果を発表し続ける限り、成功はいつかやってくる。(何度やっても成功しないなら、職業を間違っているかも)
など、ありました。
アラフォーの私は「若い頃にこの本を読みたかった」と思いました。
しかし本書では、もっと歳を重ねてから成功を掴んだエピソードも紹介されています。
56歳で「相対性理論」を上回って引用されている「量子もつれ」を発表したアインシュタイン。 85歳でノーベル化学賞を受賞したジョン・フェンなどです。
「不屈の精神があれば、成功はいつでもやってくる!」だとちょっと重いので、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」くらいの気持ちで、宝くじを買い続けようと思います。
- 作者: アルバート=ラズロ・バラバシ,江口泰子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2019/06/18
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追伸
ツイッター(@ketsuakira)でも読書感想をつぶやいています。
ご覧いただけると嬉しいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。