#毎日小さな改善を

[毎日小さな改善を]をモットーに、けつあきらとよるが読書感想とか書いてます。

【読書感想#5】[最高のコーチは、教えない]部下への指導や子育てをしている日本ハムとソフトバンクファンは読むべき本

最高のコーチは、教えない。

最高のコーチは、教えない。

  • 作者: 吉井理人
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2018/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督の著書「稚心を去る」を読んで、自分の好きなものをテーマ書かれている本の面白さを知りました。



www.il-magnifico.com



本書「最高のコーチは、教えない」 は、2018年シーズンまで日本ハムファイターズで一軍の投手コーチをしていた吉井理人さん(現 千葉ロッテマリーンズ 一軍投手コーチ)の著書です。

吉井さんの選手を大切にする姿勢やコーチとしての能力は、1ファンである私ですら、とても良く伝わってきました。

でも、2018年で日本ハムファイターズからの契約更新はされず、千葉ロッテマリーンズのコーチとなりました。

日本ハムファイターズや栗山監督と色々あったんだろうと推測できます。

栗山監督の著書「稚心を去る」を読んだなら、吉井さんの著書も読んで置くべきだと思い、手に取りました。

野球選手の育成は子育てと一緒


本書は、優勝請負人と言われた吉井理人さんのコーチング理論を、北海道日本ハムファイターズと福岡ソフトバンクホークスの投手コーチ時代に行ったコーチングや、吉井さん自身がコーチングされたエピソードがたくさん紹介されています。

私は野球をやったことがありません。

もちろん野球を教えたこともありません。

でも、「選手」を「部下」や「子供」に置き換えて読むと、とても納得できることが多かったです。

基本は徹底し、感覚的な部分は教えても伝わらない

野球でいう基本とは「守備、走塁、バント」。 感覚的な部分とは「投げる、打つ」です。

部下に置き換えるなら、基本は「電話の掛け方、書類の書き方、数字の読み方」。感覚的な部分とは「取引先との付き合い方、商品の売り込み方」などでしょうか。

叱るべきタイミングは、「手を抜いたとき」だけ

選手のミスは絶対に叱ってはいけない。本気を出さないとき、手を抜いたとき、そのときだけ怒る。

これは部下にも子供にも、そのまま使えます。

このような仕事や子育での気づきがたくさんありました。

やる気を出させる言葉は「頑張れ」ではない

気づきだけでなく、部下や子育てに活かせるコーチングの技術も色々と紹介されています。

私が、子育てですぐに使えると思った2つの技術を紹介します。

選手が自分でコントロールすることが可能で、失敗してもやり直しがきくような課題を設定し、モチベーションを高めるような指導をするのが、コーチが行う育成行動の基本の役割である

これは私が読書感想を書いた「小さな習慣」と同じ理屈だと思います。

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「おまえらのおかげで、俺もコーチとして楽しい日々をすごさせてもらっている。最後まで頑張って、最高の気分を味わおうぜ」
普段は恥ずかしくて絶対に言わないような言葉を、あえて言った。チーム状況が良くなかったので、このままだと優勝できない。選手たちのためにもならない。だから自分を奮い立たせ、歯の浮くような言葉で語りかけた。

これはペップトークという技術らしいです。
やる気を出させる言葉は「頑張れ」ではないのですね。


本書では、選手のステージ「初心者(新人)、中級者(若手)、中上級者(中堅)、上級者(一流・エース)に合わせたコーチングの方法も紹介されいます。

仕事で部下の指導方法や子育てで悩んでいる幅広い人の役に立つと思います。

北海道日本ハムファイターズ ファンとしての感想

栗山監督とは野球や選手への想いは近いものを感じた

本書からは、栗山監督の著書「稚心を去る」と同じ考え方を感じました。

「個々人が才能を発揮したとき、チームは強くなる」

稚心を去るでも「個人の能力をあげること、人間力を高めること」の重要性が説かれていました。

二人の「野球」や「選手」への想いは近い物を感じました。

投手出身でコーチの吉井理人さんと、野手出身で監督の栗山監督。

立場の違いでしかないのかなと思いました。

ただ、その違いがとても大きいのかもしれません。


ダルビッシュとサファテは若手にいい影響を与える存在

元日ハムのダルビッシュ有投手とソフトバンクのサファテ投手の凄さがわかりました。

彼らは一流で、彼らがいるだけで、チーム全体にいい影響を与えている。

今のファイターズでは、宮西尚生投手がその位置に近いらしいです。

宮西投手がそのステージに行けば、ファイターズの若手にもいい影響がもたらされ、全体が違うステージに入っていくと期待しています。


吉井さんも結構 失敗していた

本書では、コーチングでの悩みや後悔を、選手のエピソードを交えて紹介されています。

ダース・ローマシュ匡選手のエピソードなど実名で紹介されるものもありますが、そうでないものもあります。

例えば、吉井さんのアドバイスで調子を崩し、そのシーズン終了後にトレード。

そのトレード先で一年後に解雇となり、球団職員になった選手のエピソードがありました。

どの選手か考えるのも、楽しめました。

学び続けることは、コーチのもっとも重要な資質の一つだ。言い方を変えれば、まなびつづけられないコーチは、すぐに指導をやめるべきだ。自説と経験だけに頼るコーチングでは、変化し続ける人間を導くことはできない

吉井さんは、2019年シーズンからは千葉ロッテマリーンズの投手コーチとなりました。

千葉ロッテマリーンズの投手たちが、これからどんな成績を残していくのか、野球ファンとしてとても楽しみです。


*私の書いた読書メモです


最高のコーチは、教えない。

最高のコーチは、教えない。

  • 作者: 吉井理人
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  • 発売日: 2018/11/15
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